インプラントができない人とは?難しい条件と可能になる場合

「持病があるからインプラントは無理かもしれない」「骨が少ないと言われて諦めかけている」と悩んでいる方は少なくありません。インプラントは顎の骨に人工の歯根を埋め込む外科治療のため、お口や全身の状態によっては治療が難しいと判断されることがあります。ただし、「難しい」と「できない」は同じではなく、条件を整えることで治療が可能になるケースも少なくありません。この記事では、インプラントができない・難しいとされる条件と、それぞれの対処法、どうしても難しい場合の代わりの治療を解説します。
インプラントの可否は、「顎の骨の状態」「全身の健康状態」「お口の中の環境」「生活習慣」の4つの視点で判断します。代表的な条件は次のとおりです。
このうち、骨の不足や歯周病、喫煙などは、治療や生活習慣の見直しで条件を整えられることがあります。一方で、全身状態が安定しない場合など、安全を優先して治療を見送る判断が必要なケースもあります。以下で条件ごとに詳しく説明します。

インプラントを安定させるには、土台となる顎の骨に十分な高さと厚みが必要です。歯周病で骨が溶けた場合や、歯を失ってから長い期間が経った場合、入れ歯を長く使っていた場合などは骨が痩せていることが多く、そのままではインプラントを支えられないと判断されることがあります。
ただし、骨が足りない場合でも、骨を増やす処置(骨造成)を組み合わせることで治療が可能になるケースがあります。骨の不足している範囲に応じて、骨の幅や高さを補う方法(GBR法)や、上顎の奥歯の骨を増やす方法(サイナスリフト・ソケットリフト)を使い分けます。骨が残っている部分を選んでインプラントを斜めに埋め込むAll-on-4(オールオン4)や、短いインプラント(ショートインプラント)を使う方法で、大がかりな骨造成を避けられる場合もあります。
骨造成には治療期間が長くなる、費用が追加でかかるといった負担があり、当院では骨造成の費用としてGBR法5万円〜、ソケットリフト15万円〜、サイナスリフト25万円〜(いずれも税込)が目安です。
持病があるからといって、必ずしもインプラントができないわけではありません。大切なのは、病気の有無よりも「状態が安定しているかどうか」です。代表的な病気ごとの考え方は次のとおりです。
糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、傷の治りが遅くなり、感染も起こりやすくなります。インプラントと骨が結合しにくくなったり、治療後にインプラントの周りに炎症が起きやすくなったりする原因になるため、血糖値のコントロールが不十分なうちは手術を控えるのが原則です。主治医のもとで血糖値が安定していれば、治療を検討できる場合があります。
血圧が高い状態や心臓の病気がある場合、手術中の緊張や麻酔によって体に負担がかかることがあります。服用中の薬によっては出血が止まりにくくなることもあるため、主治医と連携して手術が可能かを判断します。手術中の緊張を和らげる方法として、点滴で薬を入れてうとうとした状態で手術を受ける静脈内鎮静法があり、当院では麻酔科医が血圧や呼吸などの全身状態を管理しながら行う体制です。
骨粗しょう症の治療薬のなかには、長く使うことで顎の骨の治りに影響が出る可能性があるものがあります。自己判断で薬をやめるのは危険なため、服用中の薬の名前と期間をお知らせいただき、必要に応じて主治医と相談しながら慎重に判断します。
このほか、透析を受けている方や重い病気で治療中の方は、全身の状態によって手術のリスクが高くなるため、より慎重な判断が欠かせません。お薬手帳をお持ちいただくと、状態の確認がスムーズです。
お口の環境や生活習慣も、インプラントの成功と長持ちに深く関わります。いずれも「できない」理由ではなく、治療前に対策しておきたい条件です。
喫煙は歯ぐきの血流を悪くし、傷の治りや骨とインプラントの結合を妨げます。治療後もインプラントの周りの歯ぐきや骨に炎症が起きる病気(インプラント周囲炎)のリスクを高めるとされています。手術の前後だけでも禁煙する、本数を減らすといった取り組みが、治療の安全性と長持ちにつながる具体策です。
歯周病の原因となる細菌がお口の中に多い状態でインプラントを入れると、インプラントの周りにも炎症が広がりやすくなります。歯周病や虫歯がある場合は、先にその治療を済ませ、お口の環境を整えてからインプラントに進むのが基本の流れです。
インプラントには天然の歯のようなクッションの役割をする組織がないため、強い歯ぎしりや食いしばりの力がそのまま伝わってしまいます。人工の歯が欠けたり、部品が壊れたりする原因になるため、噛み合わせ全体の調整や、就寝時のマウスピースの使用などで負担を分散させる対策を取ります。
インプラントには明確な年齢の上限はありませんが、年齢によって注意すべき点は異なるため、時期ごとのポイントを以下にまとめました。
顎の骨が成長途中の時期にインプラントを入れると、成長に伴って周りの歯と位置がずれてしまうおそれがあります。そのため、骨の成長が落ち着く年齢(一般的には10代後半から20歳前後)までは治療を待つのが一般的です。
年齢そのものより、骨の状態や全身の健康状態、手術に耐えられる体力、治療後に通院やセルフケアを続けられるかが判断の基準になります。高齢だから一律にできないということはありません。
妊娠中は、レントゲンやCTの撮影、麻酔、手術後の痛み止めや抗生物質の服用など、母体と胎児への影響を考慮すべき点が多くあります。緊急性の低い治療のため、出産後、体調が落ち着いてから検討するのが一般的です。
条件を整えてもインプラントが難しい場合や、外科手術を望まない場合には、ほかの治療法を選ぶことになります。
失った歯の両隣の歯を削って土台にし、つながった人工の歯を固定する方法です。固定式で違和感が少ない一方、健康な歯を削る必要があり、土台の歯に負担がかかり続ける点がデメリットです。
取り外し式の人工の歯で、外科手術が不要なため、全身状態に不安がある方でも選びやすいのが利点といえます。噛む力はインプラントより弱くなりやすく、ずれや痛みを感じることもあります。少ない本数のインプラントで入れ歯を安定させるインプラントオーバーデンチャーという方法もあり、手術の負担を抑えながら入れ歯の安定を高めたい方の選択肢になります。
医院によって設備や骨造成への対応、難症例の経験が異なるため、ある医院で難しいと判断された場合でも、別の医院では治療が可能と判断されることがあります。当院では他院で断られた方のご相談もお受けしています。
インプラントの手術には、出血・腫れ・痛み・内出血・神経の麻痺、インプラントや人工の歯の脱落や破損、インプラント周囲炎などのリスクがあります。治療後は定期的なメンテナンスが必要で、お口の清掃状態が悪くなるとインプラント周囲炎にかかるおそれもあるため、治療前に十分な説明を受けてください。
当院では、インプラント1本あたり40万〜46万円(税込)が目安です。骨造成や静脈内鎮静法(8万円)が必要な場合は別途費用がかかります。費用の詳細は料金表をご覧ください。
インプラントができるかどうかは、骨の状態や全身の健康状態を詳しく調べてはじめて判断できます。当院は御堂筋線「心斎橋駅」「なんば駅」から徒歩5分のインプラント専門クリニックで、院長はAAID(アメリカインプラント学会)認定のアソシエイトフェローとして27年以上・累計13,000本以上の治療に携わってきました。骨が少ない方や他院で断られた方のご相談にも対応しています。無料カウンセリングでCTの検査データをもとに、治療が可能か、どのような方法が合うかをお伝えしますので、お電話またはWEB予約からお気軽にご相談ください。
オオタニデンタルクリニック 院長
大谷 昌
