Case006 上顎右4.5番

28歳女性です。
上の右側、中央から4・5番目の歯が虫歯により折れてしまったため来院されました。お仕事が忙しいため、できるだけ来院回数を少なく、治療期間も短く済むようご要望されました。

歯肉よりも奥深くの部分が虫歯になっていました。
レントゲンを撮影すると、根の部分が折れていることも確認できました。この位置に作る予定の歯の形や周囲との位置関係を事前に診断するために、仮の歯(診断用ワックスアップ)を作製し、立体的に確認していきます。

インプラント埋入後の写真です。歯を支える骨が減少していたため、骨を増やす処置を同時に行いました。
その後、仮歯を装着します。

インプラント埋入から6ヶ月経過した時点で、歯肉の形態に精確にフィットする仮歯を作製し装着します。
こうすることで、写真のように健康的な歯肉の色・形を再現することができました。

インプラント周囲の歯肉の形態を精確に把握するための工程です。

歯肉の内側奥の形態にも沿うように精密に再現した仮歯です。
この仮歯をスキャンして、最終的に装着する歯をコンピューター上でデザインします。

スキャンしたデータに基づいて切削機がチタンを削り出していきます。
写真左下は最終的な研磨工程を終えたアバットメント(インプラントとかぶせ物をつなぐ部分)で、再度その形態をスキャンします。

かぶせ物のセラミックもコンピューターでデザインされ、切削機で削り出されて完成します。

これらの過程を経て、カスタムメイドのチタン製アバットメントが完成し、インプラントに結合されます。歯肉の内側の部分にまで配慮された形態を作製してあるため、歯肉の状態も安定しており良好であることがわかります。レントゲン写真からは、インプラント周囲の骨もしっかりと結合し、安定していることがわかります。

18ヶ月後の写真です。歯肉と歯の境目の状態も変化がなく良好です。

CT撮影の写真です。インプラントの周囲に十分な骨があることが見てとれます。